文章と人
[ 2011/9/6 ]
編集長の目をぬすんで谷川俊太郎さんの
トークショー&サイン会に行ってきました。
実はサイン会に行くことはひとつの趣味であったりします。
「大好きな作家だから会ってみたい!」という
ミーハーなこころもなくはないのですが、
どちらかというと、「この文章を書いている人はどんな人なのだろうか」
という人物の観察を行うことが目的だったりします。
文章はそれほど体を表すというか、
人柄がにじみ出るというか、とても生々しいものだと思います。
こうして書いているわたしの文章も、さぞかし生々しいことでしょう。
たいていの場合、好きな作家さんのサイン会に行きお会いすると、
「あぁこういう人だと思っていた」というような、不思議な気分になります。
もうすでに知っていた、というような妙な気持ちです。
反対に苦手な作家さんのサイン会では、「あぁこういう人だと思っていた」
という真逆の意味で残念な気持ちになることもあります。
(ミーハーとの違いは苦手な作家さんの場合もすすんで行くことにありますかね)
ちなみに谷川さんは思ったとおりの方でした。
前者の「あぁこういう人だと思っていた」というものです。
80歳になられる谷川さんですが、今後の目標は?と聞かれると、
「自由に楽しく生きること。いまが一番詩を書くのが楽しい」だそう。
詩を書くのがつらい時期もあったそうだが、
つらいのを乗り越える秘訣は?と聞かれると、
「そりゃあ80になれば大丈夫だよ」と笑っていました。
「若いうちは苦労すればいい」と。
そうした突き放した、それでいて見守ってくれているような温かい会話は、
わたしが詩の中で感じた「谷川俊太郎」その人であるように思いました。
谷川さんの『はだか』という詩集が好き。
死ぬ前に一度会えてよかったなぁ、としみじみ思う、
(河野)
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