ネットワークビジネス企業の総合コンサルティングを行うYKC・システムコンサルティング（YKC、本社東京、藤野正樹社長）と、ネットワークビジネス企業向けに総合アウトソーシングサービスを提供している都ソリューションズ（本社京都市、中川昭社長）は11年1月1日付で一部業務の提携契約を締結、同日運用を開始した。決済ソリューションを充実させたい都ソリューションズ側と、コールセンター業務を顧客企業に提供したいYKC側との思惑が一致した。ネットワークビジネス企業の報酬計算業務を行う大手２社の提携だけにネットワークビジネス業界の話題を呼びそうだ。
　YKCに在籍したことのある都ソリューションズ社員の橋渡しで提携に至った。
　YKCは自社で直接提供できるカード決済サービスなどを、都ソリューションズはカスタマーサービスやiPhone、iPad向けのアプリ提供サービスなどを、双方の顧客企業に自社顧客と同一コストで提供する。
　YKCとの提携について、都ソリューションズの多田正幸会長は「収納代行が難しくなるなどネットワークビジネス企業の決済環境が悪化するなか、YKCのカード決済サービスを利用することが最善の策と判断した。当社のカスタマーサービスやアプリについても積極的に販売してもらいたい」と話す。
　一方、YKCの藤野社長も「これまでも顧客企業から当社に、コールセンターサービスを提供してほしいという要望は多数あった。アプリ開発なども含め余計な新規投資をするよりも両社で手を組んだ方が、顧客企業にとっても当社にとってもメリットが大きい」と判断した。
　両社とも互いに販売ノルマの拘束などはかけず、「お互い顧客企業に選択肢を提示した上で、サービスの選択は最終的に顧客企業の判断に任せる」（藤野社長）考え。
　提携による業績への影響については「試算していないが、両社の顧客企業の満足度は上がるだろう」（多田会長）と期待を示している。