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エイボン・プロダクツ 新社長に元エスエス製薬社長の羽鳥成一郎氏が就任 新体制を発表

[ 2011/1/28 ]

 米投資会社のTPGキャピタルグループに買収された化粧品訪販大手のエイボン・プロダクツ(本社東京)は12月30日、エイボングループ離脱後の経営陣を発表した。新社長には、エスエス製薬元代表取締役社長の羽鳥成一郎氏が就任したほか、ニューウエイズジャパン元社長の小杉友巳氏が訪販事業担当の取締役に、オルビスのマーケティング本部長などを歴任した山崎和彦氏が通販事業担当の取締役にそれぞれ就任した。新たな顔触れで業績低迷が続く老舗訪販会社の経営立て直しに取り組む。
 12月30日付の役員人事では、羽鳥成一郎氏が代表取締役社長に就任。テレンス・ムアヘッド前代表取締役社長は取締役会長に就任した。TPG社のカルロス・アキーノ氏が代表取締役副会長に就いたほか、小杉友巳氏が訪販事業担当の取締役に、山崎和彦氏が通販事業担当の取締役に就任した。
 その他に4人の社外取締役が就任。前経営陣のうち、ムアヘッド氏を除く取締役6人は同日付で退任した。
 新社長の羽鳥氏は82年から17年間、エイボン・プロダクツのマーケティング本部で製品企画等を担当したほか、日本ロレアルの百貨店向けブランド事業部長や、エスエス製薬の代表取締役社長を務めている。「化粧品や健康食品に精通していることや上場企業の社長としての経験が評価された」(岡修情報管理本部長)。
 訪販事業の取締役に就任した小杉氏は、これまでニューウエイズジャパンやユニシティジャパン、トリヴァニジャパンといった外資系ネットワークビジネス企業の代表取締役社長を歴任。その手腕を生かし訪販事業とNB事業を統括する。報酬プラン変更も含めてNB事業の強化に乗り出すと見られる。
 山崎氏は、休眠顧客に対してダイレクトメールを使って実施している通販事業を統括する。
 エイボン・プロダクツは73年にエイボングループの日本法人として設立、09年12月期の売上高は前期比11.4%減の196億4000万円、営業損益は1億7500万円の赤字だった。04年12月期から6期連続で減収しているほか、06年12月期以降は4期連続の最終赤字を計上しており、早期の経営立て直しが新体制の課題といえる。

 また、エイボングループ離脱後もブランドは継続使用する。エイボングループから仕入れている商品についても引き続き供給を受けるため、商品に大幅な変更はない見通し。むしろ、「グループ離脱を機に商品開発の幅が広がるメリットもある」(岡修情報管理本部長)という。これまで米エイボンによって細かく規定されていたデザイン面などの規制から開放され、「日本市場により適した独自商品の開発が可能になる」(同)ためだ。
 ただ、訪販事業の取締役が変わったことで、「ネットワークビジネスの報酬プランが変更されるといった制度変更の可能性もありうる」(同)と話しており、今後の事業方針次第ではフィールドに影響を与える可能性もある。
 企業の方向性やグループ離脱の経緯に関して、エイボンレディやネットワークビジネス会員への説明は、1月末から営業担当者であるセールスマネージャーを通じて実施する方針。
 TPGキャピタルはグループ全体で資産約4兆円を運用する投資会社で、130カ国以上に活動拠点を構築し、子会社を通じて150件以上の投資実績がある。現在の投資企業は約70社。国内では玩具メーカーのタカラトミーや、バイオジェネリック医薬品メーカーの日本ケミカルリサーチなどに投資している。11月9日から、グループ会社を通じてエイボン・プロダクツの株式公開買付を実施。期日の12月21日までの応募が買付予定数に達したため12月29日に買収を決定した。今後はエイボン・プロダクツを100%子会社化して上場廃止する方針。
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