基礎化粧品をネットワークビジネスで販売する、グレース･アイコ（本社大阪市）が05年10月期から07年10月期までの3年間で法人税約7700万円を脱税していたとして9月11日、法人税法違反容疑で同社および千葉龍男社長（57）が大阪地方検察庁に起訴された。
　同社によると、大阪国税局（国税）が08年8月26日に大阪本社と支社、取引銀行など計15カ所を査察。07年10月期までの3年間にわたって、退会者や死亡した会員に販売手数料（報酬）を払ったように偽装して、同社が管理する口座に振り込み、定期預金に移し変えて隠していたことが明らかになった。その後、今年4月24日に国税が大阪地検に告発し、今月11日に起訴されたという。
　同社では「重加算税を含む追徴税額合計1億円を全額納付している。設立3年間は取引銀行もなく、いざという時のために資金を確保したかった」とコメントしている。
　同社は03年11月設立。基礎化粧品シリーズをネットワークビジネスで販売している。
　ビジネス会員として取り組むには『エレガントコース』（36万5950円）か『ビューティーコース』（20万8450円）のどちらかを選ぶ必要がある。愛用者には、『トライアルコース』として17万650円もしくは9万1900円のセットがある。ビジネス会員は、4種類の商品がランダムに毎月1回（1万2600円）送られてくる「オートシップ契約」を結ばなければならない。
　同社によると、売上高は05年10月期が8億円、06年10月期が16億円、07年10月期が44億円、08年10月期が82億円。09年10月期は150億円となる見通しで急成長している。会員数は5万人を獲得。最高タイトル「ダイヤ」のホルダーは20人で、ビジネス会員は全会員の約半数に当たる2万5000人。