発ガン促進作用を指摘されたアガリクス1製品について、食品安全委員会から追加試験の実施を求められていた件で厚生労働省は10月22日、賞味期限切れなどを理由に、2段階発ガン試験などの追加試験を行わない旨の通知を食安委に対して行った。
　食安委ではこれを受け、1月初旬までをメドにアガリクス問題に関するワーキング
グループを開催し、同通知の取り扱いを検討する方針だ。
　同通知では、(1)（問題の製品が）賞味期限をすでに経過している　(2)アガリチンの特性から分解等が進んでいることが考えられる　などの理由を挙げ「指摘事項にあるアガリチンの安定性に配慮することが不可能なため、検査実施が困難」と結論付けている。
　食安委では、今後開催されるＷＧで検討した結果を本委員会に報告、食安委としての同問題への最終的な結論を厚労省に回答する方針だ。
　食安委が求める追試が実施できない状況であることから、アガリクス全体の安全宣言が出ることは期待できないが、一方で、問題の製品がすでに自主回収されていることなどもあり、「即時製品を回収すべき」といった結論になることも考えにくい。「灰色の決着」になりそうだ。

(※詳しくは日本流通産業新聞11月6日号をご覧下さい）