経済産業省は8月、ネットワークビジネスの実態を調査した報告書を公表した。経産省がまとめた初のＮＢ調査報告書ということで業界の話題を呼んだ。同調査は、経産省が3月に信用調査会社の帝国データバンクに委託し行なったもので、報告書には、業界の売上高や会員数、会員の年齢別構成比、男女比、会員一人当たりの年間報酬額などについての調査結果をまとめている。
　同報告書によると、企業概要のあるＮＢ288社の年商合計値は1兆1209億1800万円で、従業員数の合計値は1万5325人となっている。
　会員数を回答したＮＢ90社の会員数合計は2190万人としており、男女比はおよそ9対1。
　年齢構成では40代が最も多く31％、50代と30代がそれぞれ21％、次いで60代が13％を占め、20代の11％、10代の3％の順となっている。会員層は中高年を中心に分布し、若年者が少ない実態が見て取れる。
　今回の調査で対象となったのは、委託先の帝国データバンクがデータを持っていた482社。その内、売上高などの数字を把握している288社について年商合計値などを計算している。482社中売上高の高い企業など150社については指定事項の個別調査も行なっている。
　経産省がＮＢを初調査したこと自体には一定の意味があるものの、社によって基準の違う「会員数」を一律に合計して連鎖販売業界の会員数として表記するなど「業界の実態を反映していないのでは」と疑問視する声もある。