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東京都・消費生活対策審議会 最終審議結果を知事に答申 【続報】

[ 2006/10/17 ]

 今年5月の諮問以来、東京都の新消費生活条例のあり方を検討してきた第19次東京都消費生活対策審議会(会長・松本恒雄一橋大学大学院法学研究科教授、委員25人)は10月13日第3回総会を開き、部会(齋藤雅弘部会長)で審議を重ねてきた最終答申案を了承、同日、石原東京都知事に答申した。これにより、焦点となっていた不招請勧誘の禁止規定(いわゆるオプトアウト規制)の導入と、罰則規定の強化(刑事罰の導入を含む)はほぼ確実な情勢となった。これを受けた都では、「できれば12月議会に条例案を提案したい」としている。
 総会では、これまで審議からまとめられた答申案の内容について、部会の齋藤部会長が説明。
 同部会長は、新しい条例作りの背景として「相談件数の急増、悪質な被害の増加がある。特に高齢者、社会的弱者の被害が目立っているほか、ITを使った若者に対する被害も増えている」と述べたうえで、改正の具体的内容に言及した。
 答申案第一章で述べられた、焦点の「不招請勧誘行為の規制強化」は、その骨組みとして、(1)消費者の自主性を害する不当勧誘行為 (2)消費者に対する情報提供義務違反 (3)威迫・困惑による勧誘の禁止、を規定。
 この中で、(1)の不当勧誘行為に関しては、まず消費者の知識・経験・財産の状況等に適合した形での勧誘・販売が求められるとする「適合性原則」の導入がうたわれた。さらに、消費者の望まない勧誘は原則禁止するという、いわゆるオプトアウト規制、不招請勧誘の禁止についても、この部分で導入を明示。但し書きとして「通常の営業活動としての訪問勧誘、電話勧誘等を禁止するものではない」との文言が付け加えられている。
 第一章の重要項目の2点目としては「悪質事業者への処分強化」が文章化され、検討が求められた。
 ポイントになるのは、まず「事業者の立証責任」の明文化を求めていること。現在も特定商取引法や景品表示法に規定されているもので、答申では「一定の事項について、事業者に合理的資料の提出を要求し、提出がない場合には不実告知等があったとみなす規定を条例に新設」することを要求した。
 また、行政処分・罰則の導入については、現行条例(第48条)で指導・勧告にとどまっている行政処分に関して、改善命令および業務停止命令を導入すること。また、刑事罰の導入についても検討することを求めた。
 ただし、この刑事罰導入に関わる部分は「部会でもかなり議論があり、漠(ばく)然とした規定では法的に機能しない恐れがある」(齋藤部会長)と難しい側面があることは審議会も認めた格好。
 この提案を受けて都は「立法技術的に詳細に検討する必要があるため、民法、消費者法、行政法、刑法の専門家のほか実務者を加えて5、6人のメンバーによる検討委員会を作りたい。現在、準備を進めている」(宮川消費生活部長)と答弁している。
 この後、答申案について各委員から若干の意見があり、「消費生活センター等では予算や人員を減らされているのが現状であり、時代に逆行している。必要な人を配置してほしい」などの要望が出された。
 なお、パブリックコメント等を受けて、中間報告から修正が加えられたのは4点。罰則部分で両罰規定を導入することのほか、適格消費者団体との連携の検討などで、全体の方向性に変更は行われなかった。
 会議後、答申は都知事代理の関谷保夫副知事に手渡された。
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