経済産業省はこのほど、ネットワークビジネスの実態を調査した報告書を初めてまとめ、公表した。報告書では、業界の売上高や会員数、会員の年齢別構成比、男女比、会員一人当たりの年間報酬額などについて調査結果をまとめている。ただ、社によって基準の違う「会員数」を一律に合計して連鎖販売業界の会員数として表記するなど「業界の実態を反映していないのでは」と疑問視する声もある。
　経産省がまとめたのは「平成17年度　連鎖販売取引実態調査報告書」。同調査は、経済産業省が3月、信用調査会社の帝国データバンクに委託し行なった。
　同報告書によると、企業概要のあるＮＢ288社の年商合計値は1兆1209億1800万円で、従業員数の合計値は1万5325人となっている。会員数を回答したＮＢ90社の会員数合計は2190万人としており、男女比はおよそ9対1。40代を中心に30代〜50代の会員が、全体の7割以上を占めている。
　経済産業省消費経済政策課の吉瀬周作・企画一係長は「連鎖販売でトラブルが問題になる年齢層と、今回の調査でＮＢ会員が多かった年齢層に違いが有り、『なぜなのか』という関心を持っている」と話している